かわいそうなバナナ
バナナはどうしてあんなに美味しくて、しかも
「どうですか おひとつ手にとって食べていただけませんでしょうか」
と言わんばかりに皮も剥きやすく人間やゴリラに食べやすくなっているんでしょうか。
説によるとバナナは、元来動物によって種子を散布するタイプで、動物が食べて排泄することで、種子が元の株から離れた所に移動できるために、動物に食べられやすいように適応してきたということです。
しかし今私たちがよく口にするバナナは、種子がありません
それは、元々バナナには小豆のような大粒の「種」が存在し、その種から繁殖していました。
紀元前5千年から1万年頃の大昔に、マレー半島で現地人が突然変異で出来た「種の無いバナナ」が生えているのを発見しました。この種無しバナナを現地人が食べたところ、「種のあるバナナ」に比べてとても食べやすく味も良かったことが判明し、現地人はどうにか繁殖出来ないかを考えていました。すると、この突然変異で出来た種の無いバナナは、種が無い代わりに、根っこから新たなバナナの芽が生えて来るという特徴があり、この新芽を植え替えたところ、再び「種無しバナナ」が育ちました。
それ以降、偶然が重なって出来た「種無しバナナ」の新芽を絶やさぬように人間が植え替え続け、「種無しバナナ」を繁殖し続けていきました。
そして、これが現在まで続き、現在も種の無いバナナの繁殖が続けられています。
つまりバナナは、偶然が重なって、あんなにも人間に食べられやすく、おいしく、繁殖続ける果物となったのです。
でも、あんなに人間のために尽くしているのに、軽く扱われて、少し可愛そうですね。