迷惑な霊能力者
大学生の頃、所属していた音楽サークルの先輩で、霊能力者と自称する人がいました。
ほんとにそうなのかどうかは、よくわかりませんが、例えば街の中のお墓の前を通ると
「頭が痛い」「苦しんでる」
などと言うような人でした。
普段は、少しプライドが高かったものの、普通の人で冗談を言ったり、ふざけたりもする人で、作る音楽も普通にラブソングでした。
ある日そんな先輩が、私について語っていたと、友達から聞かされました。
「この音楽サークルの中で、サガネだけが霊能力がある」
そんなことを語っていたということです。
「えー!」とびっくり。
そんなことを言われても気持ち悪いばかりです。
生まれてこのかた、幽霊なんかは一度も見たことはありません。普通に怖がりだとは思いますが、火の玉も見たことがありませんし、心霊現象も私のまわりで起こったことはありません。
その話を聞いてから、数日の間、夜になると何か出てきそうで気持ち悪かったのですが、その後先輩とその話をすることもなく大学を卒業しました。
その後、その先輩とは合っていませんが、毎年夏になって幽霊の特別番組を見るたびに、このことを思い出します。
なんとなく変な気分になりますが、未だに幽霊は見たことがありません。
本当に迷惑な話ですね。