モンダミンの話
一時期、モンダミンに凝ったことがありました。
「お口くちゅくちゅモンダミン」のモンダミンです。
口臭防止になるし、気分転換にも大変良かったからです。
モンダミンにも、似たような製品があり、いろいろバリエーションを試しては楽しんでおりました。その頃はモンダミンではない、紫色したなんとかという類似品を使用していました。(以下ややこしいので類似品もモンダミンと呼びます)
毎朝、歯を磨いたあとに、さらにモンダミンをするという変な習慣になっていて、その日も少し急いでいたので、出勤前に効果を少しでも高めるために、モンダミンを口に含んだまま、家を出ました。
爽やかないい天気でした。玄関を出て私の駐車場は道を挟んだところにあるので、毎日そこまで歩いて行きます。
口の中のモンダミンは、駐車場の横に溝があるので、そこでよく捨てたりしていました。
その日も、そのつもりで、クチュクチュしながら駐車場に向かっていると、向こうの方からかわいい小学生の登校の列がやってきました。
私の住んでいるあたりは、可愛いことに小学生は、おじさんおばさんを見つけたらみんな「おはようございます」と明るくあいさつをしてくれます。そして当然私にも「おはようございます!」といってくれました。
その時気がついたのですが、私は口にモンダミンが入っています。そのせいで小学生を無視することは絶対にしてはいけないことです。
とっさに私は、小学生の見ている前で歩道にモンダミンを吐き出しました。
小学生たちは、それを見て一瞬立ち止まりました。真剣な顔になり、明らかに引いていました。しかも私が口から出したのは紫色のモンダミンでした。
私はモンダミンのなくなった口で「おはよう」とできるだけ爽やかに返しましたが、もう後の祭りです。
きっとその小学生たちの家では、その日の夕飯時に、「口から紫色の液体を出す気持ちの悪いおじさん」の話で持ちきりだった事でしょう。
とほほ