年長者の話
若い頃「親」は私の事を全く何もわかっていないと思っていました。
一方的で大雑把で繊細な事は何もわかっていないと、最近までずっとそう思っていました。
また、年上の方が私にしてくれるアドバイスや忠告も、本当は私のことなど何もわからずに、思いつきで勝手な事を言っているのだと思っていました。
しかし最近になってよく考えてみると果たして本当にそうだろうかと考えたりします。
例えば二十歳の頃、私が進路で悩んでいる時、親は私より間違いなく経験豊富で視野も広かったはずです。そして愛情をもって私を見ていたはずですから、悪い話であるわけがありません。私がその頃考えていたことより間違いなくより良い判断ができたでしょうし、もしかしたら世間一般的には今の自分より幸せとされる状態になっていたかもしれません。
自分選んだ方向に後悔はありませんが、あの時少しでも親の言うこと、年長者の方の言う事に聞く耳を持っていたら、どうなっていたんでしょうか。
もしかしたら今と全く違う人生がそこにはあったかもしれないし、或いは結局今と同じ結果になっていたのかもしれないなどと妄想したりします。
たかが私のことですが、そんな事を考えているとなにか不思議な気がしてしまうのです。